Alerts トランプ米大統領はExecutive Order(大統領令) 11246を撤回 – President Trump Rescinds EO 11246
Written by Gunjan R. Talati and Kathryn J. Trent (和訳:穐場 仁)
2025年1月21日、トランプ大統領は「Ending Illegal Discrimination and Restoring Merit-Based Opportunity (違法な差別を終わらせ実力主義の機会を回復する(以下、Order))」と題する広範なexecutive order(大統領令)を発令した。これはExecutive Order(EO) 11246の撤回を目的とするものである。
EO 11246とは?
EO 11246は、1965年9月にLyndon Johnson大統領によって初めて発令された。特に、EO 11246は連邦政府の請負業者および下請け業者の採用および雇用における非差別的慣行の要件を定めたものである。
これは、「連邦政府の請負業者および連邦政府から援助を受けている建設請負業者および下請け業者であって、1年間に1万ドル以上の政府取引を行う者に対し、人種、肌の色、宗教、性別、または出生地による雇用の差別を行うこと」を禁じた。また、請負業者に対し、「応募者が人種、肌の色、宗教、性別、出生地に関係なく雇用され、従業員が雇用中に待遇を受けられることを保証するために、アファーマティブ・アクション(積極的格差是正措置)を取ること」を義務付けた。
EO 11246は、Office of Federal Contract Compliance Programs (連邦契約遵守プログラム局、OFCCP)によって現在施行されている重要なアファーマティブ・アクション(積極的格差是正措置)の義務の1つである。
トランプ大統領のOrderは何をしたのか?
EO 11246の撤回に加えて、トランプ大統領のOrderはOFCCPに対して以下のことを直ちに中止するよう指示している:
(A)「多様性」の推進; (B)「アファーマティブ・アクション(積極的格差是正措置)」をとる責任を連邦の請負業者および下請け業者に課す;(C)連邦の請負業者および下請け業者が、人種、肌の色、性的嗜好、宗教、または出生地に基づいて労働力の均衡に従事することを許可または奨励する。
2025年1月20日に署名された、連邦政府内の多様性、公平性、包摂性(DEI)の取り組みに関する大統領令と同様に、EO 11246を取り消すトランプ大統領の即時の大統領令もまた、各省庁の長に対して、請負業者/被委託先が「適用される連邦差別禁止法に違反するDEIを推進するいかなるプログラムを運営していないことを証明する」ことを要求する条項を「すべての請負業者または助成金の授与に含める」よう指示している。
何が次に起こるか?
トランプ大統領のOrderの明示的な文言によれば、連邦政府の請負業者は、今後90日間、2025年1月20日に施行された規制スキームを遵守し続けることができる。同Orderはまた、Director of the Office of Management and Budget (行政管理予算局、OMB)局長に対し、 Attorney General (司法長官)の支援を得て、(1)政府全体のプロセス、指令、およびガイダンスを見直すこと、(2)連邦政府の取得、契約、助成金、および財政支援手続きからDEIおよびDEIの原則への言及を削除すること、および(3)すべての「ダイバーシティ(多様性)」、「エクイティ(公平性)」、「公平な意思決定」、「財政的および技術的支援のequity(公平)な展開」、「公平性の推進」、および同様の義務、要件、プログラム、または活動を適宜終了するよう指示している。
少なくとも現時点では、1973年のRehabilitation Act Section 503および Vietnam Era Veterans’ Readjustment Assistance Act(VEVRAA)の適用を受ける政府請負業者は、EO 11246ではなく法令に基づく義務であるため、障害を持つ個人および保護されるべき退役軍人に関して積極的(affirmative)な義務を引き続き負うことになる。
この新しいOrderはどのような意味を有するか?
この撤回の正確な影響は今後数週間で明らかになるが、今知っておくべきことは以下のとおりである:
・OFCCPの監査を受けている場合、保留中または予想される強制執行を含め、その監査に影響を与える可能性があるかもしれない。
・EO 11246に関する会社方針を見直し、更新する必要があるかもしれない。
・また、供給契約にEO 11246に関する要件が含まれている場合は、供給契約を評価し変更が必要かもしれない。
本Orderは進行中の話であるため、キルパトリックチームは今後もこのような動きを注視し、進展があり次第、最新情報を提供する予定です。この新しいOrderが御社の職場規定やコンプライアンス義務にどのような影響を及ぼすかについての詳細は、 Gunjan R. Talati、Kathryn J. Trent、もしくは御社の弊所担当者までお問い合わせください。
Footnotes
1 2025年1月20日、トランプ大統領は、連邦政府の federal diversity, equity, and inclusion (DEI) プログラムを対象としたExecutive Order(大統領令) に署名した。これは、「Ending Radical and Wasteful Government DEI Programs and Preferencing (過激で無駄な政府のDEIプログラムと優遇措置の終了)」と名付けられている。同大統領はまた、「Initial Recissions of Harmful Executive Orders and Actions (有害なExecutive Orders および行動の初回撤回)」と題する別のExecutive Order(大統領令) にも署名し、人種的平等に関するEO 13985や連邦労働力の多様化に関するEO 14035などバイデン元大統領の基本的なDEI Executive Ordersも撤回した。
Click here for the original English version.