Alerts 5つの重要ポイント – 中国の知的財産権最新情報:意匠の要件と侵害 (2026年3月)

2026年04月10日

Written by Charles W. Gray (和訳:穐場 仁)

2026年3月の中国知財動向は、意匠特許に新たな課題をもたらすとともに、特許および営業秘密の侵害に関する最高人民法院 (Supreme People’s Court, SPC) の重要な判決が下されている。

特に、中国国家知識産権局 (China National Intellectual Property Administration, CNIPA) は先行技術調査を行わずに「ありふれた」部分意匠を取り締まっている一方、最高人民法院 (SPC) は営業秘密の窃取に関与した経営幹部の連帯責任の範囲を拡大している。以下に、戦略上の重要なポイントを纏める。

1.「ありふれた」意匠に対する審査の厳格化

Article 2.4に基づき、審査官は「ありふれた幾何学的形状やパターン」(標準的な長方形や基本的なグリッドなど) に依拠する意匠、特に部分意匠の拒絶を増やしている。審査官は、正式な先行技術調査を行うことなく、「一般消費者の感覚」に基づいて、その意匠がありふれたものであると推定できるようになった。

2.「共同出願 (Joint Filing)」による意匠拒絶の回避

保護範囲が広すぎる部分意匠による拒絶を避けるため、出願人は中国の共同出願制度を活用すべきである。「基本意匠」と、保護範囲を段階的に狭めていく複数の「防御意匠」を併せて出願することで、拒絶リスクを分散させ、少なくとも部分的な保護を確保することができる。

3.最高人民法院 (SPC) の判決:均等侵害 (Equivalent Infringement) と機能性

最近の化学特許紛争において、最高人民法院 (SPC) は、非発明的特徴を過度に厳格に解釈すべきではないとの判断を示した。被疑製品が構造上の軽微な変更 (「密閉」システムに穴を開けるなど) を加えているものの、実質的に同一の機能と効果を達成している場合、それは均等侵害に該当する。

4.ライセンス契約終了後の「先使用 (Prior Use)」抗弁の無効化

最高人民法院 (SPC) は、侵害者が当初、ライセンス契約を通じて特許技術を取得していた場合、その侵害者が「先使用権 (right of prior use)」を主張して抗弁を成立させることはできないと明確にした。ライセンス契約の満了後も当該技術の使用を継続することは、悪意のある行為とみなされ、いかなる先使用の主張も無効となる。

5.営業秘密の盗用に対する経営陣の責任

盗用された営業秘密を利用するために特別に設立された会社の場合、個人的かつ積極的に関与した経営陣や法定代理人は、会社と共に連帯責任を負うことになる。最高人民法院 (SPC) は最近このような事例において、会社とその創業経営陣の両方に対し、3倍の懲罰的損害賠償を命じた。

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