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Intelの21.8億ドルの特許侵害判決 - 貴社で同じような事態を回避するには

2021年3月17日

Paul C. Haughey、A. James Isbester共著

特許侵害に関するIntelへの21.8億ドルの陪審員の評決に鑑み、社内弁護士は、Intelで起きたことが自社に降りかからないようにするための検討を行うと思われます(VLSI Technology LLC 対 Intel Corp.、21-57、テキサス州西部地区米国地方裁判所、参照)。独自の特許ポートフォリオは非実施主体(NPE)に対抗する助けとはなりません。意図的な侵害を回避するだけではIntelは助からなかったでしょう。 Intelによる意図的な侵害は見つかっていません。明るい知らせは、開いた口が塞がらないほどの、トップニュースになるようなこのような評決のほとんどは、上訴審で大幅に減額されます。とはいっても、大金であることに違いありません。特許の対象となり得る機能が数千分の1であり、ずっと低いロイヤリティ料金が適切であることが示されるコンピューターチップではこのような減額は一般的です。

覚えておくべき重要な点は、有効性に対し異議を申し立てる当事者系レビュー(IPR)を早期に申請することです。ここで、Intelは訴状が送達された後10か月待機しました。特許審判部(PTAB)はFintiv(Apple 対 Fintiv, Inc, IPR2020-00019)に基づき、その裁量により、IPRの開始を却下しました。PTABが最終判断に達するであろう10か月前にテキサスにおいてトライアルが予定されていたためでした。Fintivは、1年間の法定の不特許事由以内であるものの、(1)地方裁判所における訴訟が十分に進行しており、(2)同様の請求や主張がある場合に、PTABはIPRの開始を却下できると判示されました(他にも6つの要因がありましたがこれらが主な2つの理由です)。2か月以内に(IPRを)申請していたとしても成功は保証できないが、勝率は大幅に高まったでしょう。

訴訟戦略としてもちろん裁判を、ロケットドケット(審査前サーチ等の所定を要件を満たして早期審査)を採用しない裁判所へ移転することが含まれるでしょう。しかし残念なことにこれは往々にして可能ではありません。

IPRを待つよう議会でロビー活動することやその他の手段が最終的に功を奏す場合もあります。陪審員は技術を理解せず、理解している人は陪審団から外されます。陪審員は通常、有効性に関する特許庁の専門家の意見を疑おうとしないことが多く、それ故、新しい証拠に基づく有効性は、特許庁の専門家により判断されるべきです。

一つの対策として、競合相手に対する訴訟を監視することが挙げられます。誰であれ、Intelのように最初に訴えられたものは不意を突かれますが、競合相手は訴えられる前にIPRを申請することができ、IPR開始の可能性を大きく高めることができます。もちろん費用と、貴社がその後のターゲットとなる可能性について検討する必要があります。

もう一つの方法として、クリアランス調査(特許侵害予防調査またはFTO調査とも呼ばれる)があります。一部の弁護士は、意図的な侵害の罪の通告を受けること恐れて、クリアランス調査を行ないません。しかし、VLSI 対 Intelが例証するように、意図的ではない侵害に大きなリスクがあるので、意図的な侵害は基本的な侵害の事実認定において一般的ではありません。注目すべき点は、VLSIは、Intelにはその従業員が特許を読むことを禁止する会社方針があると主張しましたが、この「意図的な無知」攻撃は成功しませんでした。また、クリアランス調査で見つかった最も問題のある特許には、対処することができ、あるいは、弁護士の意見により意図的な侵害の罪を回避することができます。

残念なことに、クリアランス調査は多くのNPE特許を見つけられない場合があります。これは彼らが曖昧な用語のひねくれた解釈を頻繁に使用するため、キーワード検索によるクリアランス調査で見つからないためです。さらに、クリアランス調査は非常に高価なものとなり得ます。特に貴社において多くの新機能が定常的に開発されている場合はコストが高くなります。効率的な方法は、リスクが最も高く最も価値のある機能についてのみクリアランス調査を行い、クリアランス調査の規模を縮小し、予算を適当な範囲にとどめることです。規模を縮小したクリアランス調査では、往々にして80-20ルールが当てはまります。これは80%の特許リスクが予算の20%で見つかるというものです。以下は、クリアランス調査を検討すべき例です。

1. 買収。 買収者にとって大きなリスクは、買収対象の企業はこれまで規模が小さすぎたため訴訟の対象となリませんでしたが、買収後、訴訟の対象となるというとです。最低限、大手の競合相手に対する訴訟を探す基本的なクリアランス調査が適切です。買収される企業としては、買い手はリスクについて、またクリアランス調査は行ったかについて質問すると思われます。事前に調査することにより、買収される企業は前もって問題に対処し、引き合いを構成することができるため、買取価格を最大化できます。

2. 新規市場への参入。 最低限、特許訴訟調査により、その市場が訴訟の地雷原か否かを判断します。

3.新製品または新機能。競合相手が既に同様の製品または機能を持っている場合は状況についてクリアランス調査を行うことが特に重要となります。他の企業がその機能または製品を最初に市場化している場合、彼らが特許を持っている可能性があります。

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