Alerts 特許適格性を探る:USPTOガイダンスからの洞察 – Navigating Patent Subject Matter Eligibility: Insights from USPTO Guidance

2024年07月29日

Written by Richard B. Christiansen   (和訳:穐場 仁)

2024年7月17日、米特許商標庁(USPTO)は、これまでのガイダンスを拡張し、人工知能(AI)発明に向けた特許適格性に関する包括的なガイダンス(Guidance)を発行した。本ガイダンスは、AIのイノベーションを促進することを目的としている。

表面的には、本ガイダンスは、AIに関連するクレームの特許適格性を決定するための現在のUSPTOのアプローチを単に確認しているように見える。しかしながら、関連するファクト・パターンと組み合わせたUSPTOの「分析」をより深くレビューすると、AI特許適格性に対する重大で厄介な変化が浮かび上がる。

AIイノベーションは、(1) AIの実装および/または実装を促進するハードウェア、(2) AIの具体的な適用、および(3 )AIそのもの、のうちの1つに分類されることが多い。AIのこれらの広範なカテゴリーのうち最初の2つのみが、新しい事例とガイダンスにて十分に議論されている。AIそのものの第3のカテゴリーは直接議論されていないものの、AI特有の限定に関するUSPTOの分析は厄介なものである。

提供された事例をみると、USPTOの分析には次の2つのテーマが頻繁に取り上げられている:(1) AIそのものが特許適格でない数学的計算を具現化したものであり、抽象概念を単に改善したものに過ぎない、および(2) AIに結び付いたクレームの特許適格性は、従来にはないハードウェアまたは従来にはない特定のアプリケーションとの緊密な結びつきが必要である。参照、e.g., July 2024 Subject Matter Eligibility Examples, Example 47 claims 1 and 3.

クレームの真の創作を反映することが多いAIに関連する限定を、特許不適格な限定として扱うことにより、USPTOはクレームと特定のアプリケーションの間に緊密な関係を強要し、創作の真の貢献を超えてクレームを狭めている。このような変化を踏まえ、出願人は、実用的なアプリケーションとの結びつきの議論を拡大するとともに、実用的なアプリケーションへの結びつきが従来にはない性質を有することを主張する議論も展開すべきである。実用化とこれらの結びつきは、少なくとも従属クレームの限定に記載されるべきである。

この方針転換と各技術ユニットでのトレーニングの間にはUSPTOに典型的な時間差が生じることを考えると、本ガイダンスの影響が感じられるまでには数年かかる可能性がある。しかし、本ガイダンスは、AI特許適格性のUSPTOの評価において重要な転機を示しており、全ての新しいAI関連出願の作成において考慮されるべきである。

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