Blog いつも自明とは限らない:Secondary Considerationにおける実質的証拠提示の成功例 – It’s Not Always Obvious: A Successful Showing of Substantial Evidence Before the Federal Circuit

2023年12月05日

by Allison W. Dobson , Nicoletta M. Kennedy  (和訳:穐場 仁)

Volvo Penta of the Americas, LLC v. Brunswick Corporation (2022-1765, Decided August 24, 2023)

特許訴訟弁護士は、(自明性に関する二次的考慮事項に関し、)特許審判部(PTAB)による不利な当事者系レビュー(IPR)決定からの上訴において、実質的証拠基準(substantial evidence standard)を克服することの難しさをよく知っている。特に難しいのは、争点となる特許クレームと、他社による模倣、業界の賞賛、商業的成功、業界の懐疑、他社の失敗、長期にわたる未解決のニーズなどの、二次的考慮事項(secondary consideration)の証拠との間の関連性(nexus)を示すことである。このような困難さにかかわらず、CAFCは、PTABが裏付証拠が不十分であると判断したにもかかわらず、関連性(nexus)の立証を認めることがある。Volvo Penta v. Brunswick Corporationがまさにその先例となる判決である。

Volvo Pentaは、U.S.特許9,630,692(‘692特許)の権利者であり、Forward Driveという製品を発売した。この製品は、牽引タイプの操舵可能な船尾駆動装置を備えたボートで、ウェイクボードの人気が急上昇したため、すぐに成功を収めた。Brunswickは、競合製品としてBravo Four Sを発売し、訴訟とそれに対応するIPRが続いた。Brunswickは、Forward DriveとBravo Four Sの両方が’692特許を具現化していることに異議を唱えなかった。

Volvo Pentaは、特許の自明性を否定するために、二次的考慮事項(secondary consideration)として、模倣、業界の賞賛、商業的成功、懐疑論、他社の失敗、長期にわたる未解決のニーズを主張した。Volvo Pentaは、Brunswickが内部文書において「Forward Driveに明確言及しており、Forward Driveが’692特許のクレームを実施していることも争っておらず」、さらに、「Volvo Penta のForward Driveに匹敵する性能を備えた「船尾駆動装置」を提供する目標について」と主張した。特に、Brunswickのこの模倣計画を示す文書証拠が、最終的はCAFCにとって説得力のあるものとなった。

当初、PTABは、Volvo Pentaが、客観的証拠と結びついた「クレームされた構造の「独自な特性」や「クレームされた発明のメリット」を「具体的に特定していない」とし、Volvo Pentaが二次的考慮事項の客観的証拠とクレームされた発明との間に関連性(nexus)を示していないと判断した。CAFCは、PTABの結論は実質的証拠によっておらず、Volvo Pentaは関連性と二次的考慮事項の証拠の両方を立証したと判断した。特に、CAFCは、PTABの決定では、様々な議論、証拠、及びそれらの要約に割り当てられた重みが説明されておらず、従って、PTABが非自明性の客観的指標に関する証拠につき適切な考慮を怠った、と判示した。

本事例は弊所のJohn AlemanniDean PowellAndrew Saulのサポートを受けて弁論に成功した事例であり、関連性(nexus)の提示方法、PTABの決定を覆すための強力な上訴理由の特定方法に関する手引きを示すことにより、特許権者に貴重な洞察を提供するものである。

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