Alerts 先に出願され後に満了する特許は、自明型のダブルパテントにより無効にされない Post In re Cellect – First-filed, Later-Expiring Patent Protected from Obviousness-Type Double Patenting Post In re Cellect

2024年08月15日

Written by Christopher Thomas, Nicoletta M. Kennedy and Allison W. Dobson, Ph.D.  (和訳:穐場 仁)

米連邦巡回控訴裁判所(CAFC)の最近の判決In re Cellect1は、同一ファミリー内に特許期間の調整(patent-term adjustment, PTA)を受けた特許が存在する場合に、大きな影響を与えるものである。CAFCは、特許期間の調整(PTA)を受け特許期間が延長された特許は、自明型のダブルパテント(obviousness-type double patenting, ODP)法理に基づき、同一ファミリー内で早期に満了となり特許的に区別できないクレーム(patentably indistinct claims)を有する特許により潜在的に無効とされる可能性があることを示した。これにより、特許期間の調整(PTA)が、初めて自明型のダブルパテント(ODP)の分析と関連することとなった。

Cellect判決において、CAFCは、特許的に区別できないクレーム(patentably indistinct claims)を有し、特許期間の調整結果が異なる複数の継続出願がファミリー内に存在し得るという従来の特許実務に疑問を呈した。この判決を受けて、一部の出願人は特許実務に変更を加えた。これら変更は、1) 満了間近のパテント・ファミリーを検討し、先手を打ってターミナル・ディスクレーマー(terminal disclaimer)を提出する、そして、これには 2) 「逆」ターミナル・ディスクレーマーを提出すること、つまり、親出願(最初に出願された出願)の特許期間を、特許満了の最も早い子出願にあわせるように放棄すること、が含まれる。この「逆」ターミナル・ディスクレーマーの背後にある理論は、Cellectの観点からの無効主張を防ぐために、ファミリーの中で最も早く満了を迎える特許にあわせて特許期間の放棄をすることである。

2024年8月13日、CAFCは、自明型のダブルパテント(ODP)法理の適用に関し、特に、ファミリー内で最初に出願され最初に登録になった特許の取り扱いについて幾分かの明確性を示した。 同高裁は、Allergan USA, Inc. v. MSN Laboratories Pvt. Ltd., No. 2024-1061, (Fed. Cir. August 13, 2024)において、最初に出願され、最初に登録になり、後に満了を迎えるクレームは、共通の優先日を有し、後に出願され、後に登録になり、先に満了を迎えるクレームによって無効化されることはないと判示した。2

CAFCは、Cellect 判決を適用するにあたり、自明型のダブルパテント(ODP)を検討する際に「最初に出願され、最初に登録になった」かどうかは重要ではないと解釈したデラウェア州地裁の判決を覆した。CAFCは、同地裁のCellectに関する分析を否定し、Cellect は単一の問題、すなわち、自明型のダブルパテント(ODP)の分析において特許満了日を考慮すべきかどうかを扱ったに過ぎないことを明確にした。ここで、CAFCは自明型のダブルパテント(ODP)の分析において異なる問題が関係していると判断した。すなわち、どのような状況下でクレームが自明型のダブルパテント(ODP)の参照先として適切に機能するかという問題である。

CAFCの判決は、最終的には、特許権者が第1の特許の存続期間を実質的に延長するために自明な変形をして第2の特許を取得することを防ぐ、という自明型ダブルパテント(ODP)法理の方針と目的に根差したものであった。この問題の核心は、法律で認められている期間を超えて特許権を不適切に延長することと、特許権の最大期間を特許権者に正当に付与することとのバランスである。今回の判例の下では、最初に出願され、最初に登録になり、後に満了を迎えるクレームは、後に出願され、後に登録になり、先に満了を迎え共通の優先日を有するクレームによって無効化されることはない。この判決は、自明型のダブルパテント(ODP)の課題に対してファミリー内で最初に出願され、最初に登録になった特許を事実上免除する一方で、ファミリー内の最大特許期間を、最初に出願され、最初に登録になった特許の権利期間に制限することでもある。特許権者は、後に出願され後に登録になった特許で、特許的に区別できないクレームを有する、最初に出願され最初に登録になった特許の特許満了日を超えて特許期間が延長される特許期間の調整(PTA)が付与された特許について、ターミナル・ディスクレーマー(terminal disclaimer)が必要かどうかの判断するためにファミリー内の特許を見直すことに注意を払うべきである。

Christopher ThomasはKilpatrick Townsend & Stockton LLP、Washington, DCオフィスのカウンセル、Nicki Kennedyは Washington, DCオフィスのパートナー、Allison DobsonはRaleighオフィスのパートナーです。

記載されている見解は、筆者個人に属し、弊所、そのクライアント、またはそれぞれの関連会社の見解を示すものではありません。本記事は、一般的な情報を提供するためのものであり、法的な助言を意図するものではなく、法的な助言として解釈されるべきではありません。

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1In re Cellect, LLC, 81 F.4th 1216 (Fed. Cir. 2023), (en banc denied); Petition for Certiorari filed.

2Allerganは、Viberziのジェネリック版に対するSun Pharmaceuticalsの Abbreviated New Drug Application (ANDA)が米国特許第7,741,356号(’356特許)のクレーム40を侵害しているとして、Hatch Waxman Actに基づいてSun Pharmaceuticalを提訴した。Sun Pharmaceuticalsは、’356特許のクレーム40が、’356特許より前に権利満了した同じファミリー内で後から出願し、後に登録になった特許に対して自明型のダブルパテント(ODP)により無効であると主張した。‘356特許は、後に出願された2つの子出願の有効期限を超えて存続期間を延長する467日の特許期間の調整(PTA)を付与された。



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